2019年07月12日
子猫の真菌
こんにちは、獣医の伊藤です。
この時期になると多発するのが、子猫ちゃんの真菌症です!!
いよいよ増えてきています。
春先に子猫を保護したりでお迎えし、ちょっと落ち着いてきた今頃に発生しはじめるこの皮膚病
そして、我が家にいる保護子猫にも発生治療中です…
真菌、いわゆるカビです.
言ってしまえばどこにでもいます。
決して不衛生だからというわけではないと思います。
東京などで勤めていたころはここまで頻繁にみる疾患ではありませんでした。
鹿児島本土で獣医をしている友人もまた「真菌多い」と言っていました。
奄美大島と言う高温多湿な気候ゆえだと感じます。
そして子猫という、まだ免疫も未発達で皮膚も弱い子がかかりやすくなるというわけです。
なので大人ネコは二次的にかかることはあっても、同居していても発生する可能性はあまり高くはありません。
・顔周り、耳の裏、手足先などに急に脱毛部が出来る
・特に痒がっているそぶりがない
・真っ赤になっていたり、強い炎症を示唆しないのに急にポッと脱毛していることが多い

↑上唇のところが少し赤く黒くなっているところがあるのは分かりますか?大変怪しい典型です(治療中です)

↑右耳にうっすら円形になっている部分があるのが分かりますか?
これを見つけた時は「いよいよ発生してしまった…」感でがっくりでした。
翌日には手先にも脱毛が…(治療中です!)
また、真菌は「どこにでもいる」ゆえに、大人ネコやワンちゃん、人も感染することはあります。
子猫と同じように、お子さんや肌の弱い女性の方がかかりやすい傾向にあるような印象です。
人の場合は手足や首など、赤い1センチ前後の斑点のようになり、強いかゆみを伴うことが多いような印象です。
あやしい!という場合は皮膚科にご相談くださいね!!
私も実はかかったことはありますが、たくさん真菌のネコちゃんを見ている中でも1~2回程度です。
自分自身の免疫力、ストレス(忙しいなど)の体調にも大きく影響すると思います。
決して動物が悪いわけではないと思ってほしいです。
子猫の真菌症は内服薬で改善します。
内服と、しっかりした栄養を付け、体力免疫力が付いてくるとともに改善していきます。
あれ、脱毛してる!?と気が付いた場合は早めに対応することをすすめます。
もちろんノミがいる状況や耳ダニや疥癬にかかっていることもあるので、保護子猫ちゃんはまずは一度病院に来てもらえると
気を付ける点などもお話しできます。
夏になるにつれ、真菌の発生は終息していき、子猫もそんなころには大人になっていきます。
子猫をお迎えしている方、十分気を付けて見ていてくださいね!
喜界島出張診療:8月7日(水)~12日(月)
加計呂麻島出張診療:8月24日(土)、25日(日)
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