2024年09月02日
犬の「しつけ」?
こんにちは、獣医師の伊藤です
私自身もまだまだ勉強中ですが、昨今の「ワンちゃんのしつけ」の在り方はずいぶんと変わりました。
以前は「人間はボスになって上下関係をしっかり教えないと!」「ワンちゃんになめられないように」「ダメなことはしっかり教えないと!」みたいな
スパルタ、体育会系みたいな発想がベースにありました。
今はその「上下関係」「ボスとして!」という考え方は否定されています。
・子犬が噛むのはある意味当然です
甘噛みであっても噛むのを許してしまうとなんでも噛んでしまう子になる!と言っていたのはこれも昔のこと
犬はもともと狩りをし生きる動物、噛む、引きちぎる、引っ張る そうやって獲物を得て生きていました
噛むという行為自体はごく自然なこと
ただ、ヒトの手を遊び(=狩りの練習対象)として助長しないように、噛んていいおもちゃを沢山与える
顔の前でひらひら刺激をしない、ヒートアップしそうなら一旦立ち去ってブレイクさせる
しっかり噛んで遊んで、しっかり心の成長をさせてあげてください
ダメ!とひっぱたいたり、押さえつけるようなことはしないであげてください。
マズルを押さえるつけるとかも絶対ダメです。
また、おもちゃにしてほしくない、噛まれたら困るもの(家の備品など)は口の届かないところに避ける
噛んで困るものをそばに置かないこと
・大人の子が「噛みついてくる」のは最終手段、怖くていやだからです
ワンちゃんは本当に優しいどうぶつです。
あれほどの牙と顎の力を持ちながらも、私たちを咬んでくることは滅多にありません。
突然噛みつかれた!ということが起こる前には大抵すでに「いやだ、やめて」というボディサインが出ています
目をそらす、身体をそむける、舌をぺろぺろして落ち着かない、あくびをする 「もうやめて欲しいな」というサインです
わたし達はそれに気が付いてあげられず、それを超えていやなことをしてしまう。そうすると最終手段で「もうやめて!」と噛むのです。
また上記のように「ダメ!」とひっぱたいたり、押さえつける行為も強い恐怖となります。
恐怖から逃げる最終手段は噛んでその事態を逃れようとすることです。
これを助長し続ければ、何でも怖いこと嫌なことは噛みついて逃れられるとなってしまいます。
いやなことや恐怖を感じている対象は避けてあげること
無理して克服を強要しないこと
例えばバイクが怖い子も、ヒトがバイクを先に目視+ワンちゃんが気が付いていないうちに避ける
あるいは人が目視+ワンちゃんが気が付いていないうちにおやつをあげる
1センチ近づいて+ワンちゃんが気が付き始めでおやつをあげる
1センチ近づいて+ワンちゃんが気が付き始めて怖がっておやつを食べれないようならもう一歩下がる(食べれる状況まで下がる)
それでもあまりに恐怖の強い子は無理せず避けてあげてください。
怖がりの子は本当にとてもとても時間がかかりますが、おやつで少しずつ恐怖の緩和はできます
1センチずつでも、恐怖の緩和を
病院でもはじめは震えるばかりだった子が、診察台に乗れるようになったり、診察台でおやつをたべてくれるようになったり
少しずつ、出来ることが増えている子もいます
何とかしたい!という焦る気持ちが、焦らせすぎて急いてしまうケースが多いように感じます。
吠えるという子も、吠えたら成功した(例えば郵便屋さんが近づいてきた!吠える→郵便屋さんが去って行った!と認識する)という繰り返しがどんどん吠える子になっていきます
吠えなくてもいい状況
吠えようとしたらもっといいことが起こる状況(前もっておやつなどをあげる、郵便屋さんが来る直前に気をそらす、時間のかかる噛むおもちゃなど特別なおもちゃをあげる、郵便屋さんに協力してもらいバイクが来るとおやつをもらえるようにしてもらう(手から直接ではなくとも、バイク=おやつと認識してもらう))を作ってあげてください
これも家族全員の協力も必要です。
吠えてテンションが上がりすぎて集中力がそっちに向かってしまう前のタイミングですることです
・「この手」は嫌なことをしない手。ヒト・家族は怖いことをしない
特に子犬の頃~3歳くらいまでは感受性のとても豊かなころ
沢山ほめて、たくさん触って、おやつをあげて
ヒトは怖いものではないよ?いやなことはしないよ?と教えてあげてください
手はひっぱたくためにあるものではありません。手は優しいもの、おいしいものをくれるもの!
・ワンちゃんのボディサインを見ていてあげて!
しっぽを振ることがイコールすべて喜んでいるわけではありません(興奮していても降ります)
顔をそらすこと、目をそらすこと、あくびや身震い、意味もなくフンフンをにおいを嗅ぐことなど、病院ではよく見ますが「もう嫌だな」「もうやめて欲しい」というサインです
ドッグランで遊んでいるとき、初対面のワンちゃん同士などもしっぽの動き、耳の位置、口角の感じ、身体の姿勢などよく見ていてあげてください
分かりにくいとは思うので、いつでも聞いてください
大抵病院で見られる態度のほとんどはネガティブなサインで満載なので、病院でしてる態度があった場合は「いやだな~」と言っていると思っても良いかもしれません(笑)
まだまだお伝えしたいことはたくさんありますが、ものすごい長文になってしまいそうですのでまずはこの辺で
とにかく「上下関係はないよ!」「なめられている、なんてことはないよ!」ということは知ってほしいです。
より良いドッグライフを送れるように、私たちも勉強を続けます!
いつでもご相談ください
特に子犬さんを新しくお迎えしたというお家も結構あります。子犬さんの感受性豊かで社会性を広げるときにしっかり心を成長をさせることで
色々な環境変化にも対応できる子になります。
子犬編に関しては改めて!
私自身もまだまだ勉強中ですが、昨今の「ワンちゃんのしつけ」の在り方はずいぶんと変わりました。
以前は「人間はボスになって上下関係をしっかり教えないと!」「ワンちゃんになめられないように」「ダメなことはしっかり教えないと!」みたいな
スパルタ、体育会系みたいな発想がベースにありました。
今はその「上下関係」「ボスとして!」という考え方は否定されています。
・子犬が噛むのはある意味当然です
甘噛みであっても噛むのを許してしまうとなんでも噛んでしまう子になる!と言っていたのはこれも昔のこと
犬はもともと狩りをし生きる動物、噛む、引きちぎる、引っ張る そうやって獲物を得て生きていました
噛むという行為自体はごく自然なこと
ただ、ヒトの手を遊び(=狩りの練習対象)として助長しないように、噛んていいおもちゃを沢山与える
顔の前でひらひら刺激をしない、ヒートアップしそうなら一旦立ち去ってブレイクさせる
しっかり噛んで遊んで、しっかり心の成長をさせてあげてください
ダメ!とひっぱたいたり、押さえつけるようなことはしないであげてください。
マズルを押さえるつけるとかも絶対ダメです。
また、おもちゃにしてほしくない、噛まれたら困るもの(家の備品など)は口の届かないところに避ける
噛んで困るものをそばに置かないこと
・大人の子が「噛みついてくる」のは最終手段、怖くていやだからです
ワンちゃんは本当に優しいどうぶつです。
あれほどの牙と顎の力を持ちながらも、私たちを咬んでくることは滅多にありません。
突然噛みつかれた!ということが起こる前には大抵すでに「いやだ、やめて」というボディサインが出ています
目をそらす、身体をそむける、舌をぺろぺろして落ち着かない、あくびをする 「もうやめて欲しいな」というサインです
わたし達はそれに気が付いてあげられず、それを超えていやなことをしてしまう。そうすると最終手段で「もうやめて!」と噛むのです。
また上記のように「ダメ!」とひっぱたいたり、押さえつける行為も強い恐怖となります。
恐怖から逃げる最終手段は噛んでその事態を逃れようとすることです。
これを助長し続ければ、何でも怖いこと嫌なことは噛みついて逃れられるとなってしまいます。
いやなことや恐怖を感じている対象は避けてあげること
無理して克服を強要しないこと
例えばバイクが怖い子も、ヒトがバイクを先に目視+ワンちゃんが気が付いていないうちに避ける
あるいは人が目視+ワンちゃんが気が付いていないうちにおやつをあげる
1センチ近づいて+ワンちゃんが気が付き始めでおやつをあげる
1センチ近づいて+ワンちゃんが気が付き始めて怖がっておやつを食べれないようならもう一歩下がる(食べれる状況まで下がる)
それでもあまりに恐怖の強い子は無理せず避けてあげてください。
怖がりの子は本当にとてもとても時間がかかりますが、おやつで少しずつ恐怖の緩和はできます
1センチずつでも、恐怖の緩和を
病院でもはじめは震えるばかりだった子が、診察台に乗れるようになったり、診察台でおやつをたべてくれるようになったり
少しずつ、出来ることが増えている子もいます
何とかしたい!という焦る気持ちが、焦らせすぎて急いてしまうケースが多いように感じます。
吠えるという子も、吠えたら成功した(例えば郵便屋さんが近づいてきた!吠える→郵便屋さんが去って行った!と認識する)という繰り返しがどんどん吠える子になっていきます
吠えなくてもいい状況
吠えようとしたらもっといいことが起こる状況(前もっておやつなどをあげる、郵便屋さんが来る直前に気をそらす、時間のかかる噛むおもちゃなど特別なおもちゃをあげる、郵便屋さんに協力してもらいバイクが来るとおやつをもらえるようにしてもらう(手から直接ではなくとも、バイク=おやつと認識してもらう))を作ってあげてください
これも家族全員の協力も必要です。
吠えてテンションが上がりすぎて集中力がそっちに向かってしまう前のタイミングですることです
・「この手」は嫌なことをしない手。ヒト・家族は怖いことをしない
特に子犬の頃~3歳くらいまでは感受性のとても豊かなころ
沢山ほめて、たくさん触って、おやつをあげて
ヒトは怖いものではないよ?いやなことはしないよ?と教えてあげてください
手はひっぱたくためにあるものではありません。手は優しいもの、おいしいものをくれるもの!
・ワンちゃんのボディサインを見ていてあげて!
しっぽを振ることがイコールすべて喜んでいるわけではありません(興奮していても降ります)
顔をそらすこと、目をそらすこと、あくびや身震い、意味もなくフンフンをにおいを嗅ぐことなど、病院ではよく見ますが「もう嫌だな」「もうやめて欲しい」というサインです
ドッグランで遊んでいるとき、初対面のワンちゃん同士などもしっぽの動き、耳の位置、口角の感じ、身体の姿勢などよく見ていてあげてください
分かりにくいとは思うので、いつでも聞いてください
大抵病院で見られる態度のほとんどはネガティブなサインで満載なので、病院でしてる態度があった場合は「いやだな~」と言っていると思っても良いかもしれません(笑)
まだまだお伝えしたいことはたくさんありますが、ものすごい長文になってしまいそうですのでまずはこの辺で
とにかく「上下関係はないよ!」「なめられている、なんてことはないよ!」ということは知ってほしいです。
より良いドッグライフを送れるように、私たちも勉強を続けます!
いつでもご相談ください
特に子犬さんを新しくお迎えしたというお家も結構あります。子犬さんの感受性豊かで社会性を広げるときにしっかり心を成長をさせることで
色々な環境変化にも対応できる子になります。
子犬編に関しては改めて!
Posted by 奄美いんまや動物病院 龍郷町中勝にあります。 9:00~12:00、15:00~18:30 休診は水曜、土曜午後、日曜祝日 時間外はお応えできない場合があります。 0997-62-3310 090-2085-2649 https://inmayaanimalhospital.jimdofree.com/ at 17:01
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