2020年02月24日
治療の選択肢
こんにちは、獣医師の伊藤です。
連休中ですが日中は暑いくらいの時もあれば、冷え込む日もあったり
体調崩しやすいです。
十分気を付けてくださいね。
たまにご相談を受けることがあるので、そんなお話でも。
病気には、色々な治療方法があります。
注射、内服、処方食、手術、シャンプー、生活改善などなど
特に長期戦になりそうなものや、手術が選択肢として入っているもの
悩む飼い主さんはとても多いです。
年齢や、費用、生活スタイルも当然ながら踏まえないといけません。
治療は動物病院が頑張るだけのものではありません。
飼い主さん、どうぶつ、動物病院が一緒に頑張っていくことです。
例えば、病院は「薬飲ませてね」と言うのは簡単かもですが、実際薬を飲ませるのがすごく大変!!という子も少なくありません。
お仕事の都合で一日一回なら薬は出来る、でも一日二回の薬は難しい、と言う方もいます。
うまく飲ませる工夫をする飼い主さん、頑張って薬飲んでくれるどうぶつ、そして最終的には「効果あった!」という結果がなくてはいけません。
どんな病気か?を動物病院は分かるように説明し、それを理解し、これからの生活を考え、工夫をしていくのは飼い主さんです。
なので、「どうしても内服が難しい!」という場合は別の選択肢はないか
「通院がどうしても難しい!」と言う場合は別の選択肢はないか
それも飼い主さんと動物病院とが一緒に考えていかねばなりません。
病院としても、治療に際しては出来る限り選択肢を提示していかないといけないと思っています。
その中で、飼い主さん、どうぶつが出来ることを選んでいく
その中には、費用的な部分も出てきます。
こうしないとダメ!!という選択肢のない提示はあまりすべきではないと思っています。
(※手術しないと数日以内に死んでしまう可能性がとても高い、手術することで完治の可能性がとても高い、などの緊急性のある場合は
手術を強く勧める場合はあります。
それでも、最終的にするかしないかを決定するのは飼い主さんです)
なので、これは出来る、ここまでは難しいかもしれない、など、できれば教えてほしいです。
実は薬が飲めていなかった…実はあまり効いていない気がする…教えてもらっていいのです。
ちょっと違うかもしれませんが
例えばお子さんが医者になりたい!となった場合
医学部に行く学費、生活費、部活は?合間に予備校に通うか、もし受験に受からなかった場合
そんなことも踏まえて国立にするか?私立も受けるか?通えるところを探すか?それとも別の道を考えるか?
「なりたい!ならせてあげたい!」だけではどうにもならない問題はたくさん立ちはだかってきます。
その中にあるたくさんの選択肢の中で、ご家族で出来ることを選択していくしかありませんよね。
私も獣医になりたいとごね、奨学金を借りたり、それでも相当な負担を両親にはかけてしまったと思います。
浪人しこれ以上は無理とあきらめた友人、別の選択肢を選んだ友人もいます。
「病気の治療」も、どこか同じ部分はあると思っています。
特に離島であるゆえに、たとえば高度医療を受けさせたいと思っても、現実通うことはとても難しくなります。
今ある状況で、出来ることを一緒に考えていかないといけません。
最終的に都市部の病院まで行くことにした!と言う方や、定期で飛行機で本土に渡っている方もいます
ただ、選択肢の中で出来るものを選ぶこと、それに間違いはないと思いますし
高度医療を選ばなかったことが間違いであるとも思いません。
家族で決めたことですから。
ヒトの医療も同じです。
実家で飼っていた犬も、14歳の時に腫瘍が出来て手術の選択を迫られる時がありました。
14という高齢、そして悪性腫瘍でしたが一番の治療法は前足ごと取る断脚でした。
ただ年齢的にここから3本脚の生活になる負担(大型犬だったので、これをきっかけに寝たきりになってしまえば、さらに大変!)
そもそも手術をするかどうか、
再発の可能性は高いとされている腫瘍
その中で、結局は断脚はせずに筋肉を削ぐように出来る限り腫瘍を物理的に取り除く手術の選択をしました。
幸い再発もなく歩行も問題なく、16歳まで元気に過ごしてくれました。
後悔はしていることはないですが、もしあの時再発したら?3本脚にしていたら?どうなっていたことでしょう
教科書的な最善の治療方法が我が家での犬の生活スタイルにとって必ずしもベストとはいえないと思っています。
最近で言うと、
ネコちゃんの病気でFIPという非常に死んでしまう可能性の高いものがあります。
ごく最近、未承認の海外の薬が高い効果がある!ということが分かってきました。
しかし未承認なので購入の手間(きわどい問題です)、その上内服治療は3か月くらいで100万ほどかかります。
それでもと治療をする方もいますし、100万は無理とする方もいます。
飼っているどうぶつのためにいざと言うときにお金をためていたとしても、100万は簡単なものでは到底ありません。
そして必ずしも完治するともいえないようです。
私もこれは強く勧めることはできません。
内服が難しい、手術までは出来れば避けたい、費用的にそこまでは苦しい、などなど、飼い主さんも言っていただいて構わないです。
病院側も、その場合はじゃあどうしようか?と考えます。
お互いが出来る部分で治療をしないといけません。
特に相談の多い案件では高額手術ですが、「しない」という選択は決して必ずしも責めることではありません。
破産して立ち行かなくなってしまっては元も子もありません。
とはいえ、たまに
注射ダメ、内服無理、フード変えるの無理、通院無理、費用もほとんど払えない、でも治して!というかなりの無理難題を提示してくる方もいます…
さすがに「飼い主さんも頑張れる部分」もないと、一発で治る魔法使いでもないので、難しいときもあります…
こればかりはご理解ください…
連休中ですが日中は暑いくらいの時もあれば、冷え込む日もあったり
体調崩しやすいです。
十分気を付けてくださいね。
たまにご相談を受けることがあるので、そんなお話でも。
病気には、色々な治療方法があります。
注射、内服、処方食、手術、シャンプー、生活改善などなど
特に長期戦になりそうなものや、手術が選択肢として入っているもの
悩む飼い主さんはとても多いです。
年齢や、費用、生活スタイルも当然ながら踏まえないといけません。
治療は動物病院が頑張るだけのものではありません。
飼い主さん、どうぶつ、動物病院が一緒に頑張っていくことです。
例えば、病院は「薬飲ませてね」と言うのは簡単かもですが、実際薬を飲ませるのがすごく大変!!という子も少なくありません。
お仕事の都合で一日一回なら薬は出来る、でも一日二回の薬は難しい、と言う方もいます。
うまく飲ませる工夫をする飼い主さん、頑張って薬飲んでくれるどうぶつ、そして最終的には「効果あった!」という結果がなくてはいけません。
どんな病気か?を動物病院は分かるように説明し、それを理解し、これからの生活を考え、工夫をしていくのは飼い主さんです。
なので、「どうしても内服が難しい!」という場合は別の選択肢はないか
「通院がどうしても難しい!」と言う場合は別の選択肢はないか
それも飼い主さんと動物病院とが一緒に考えていかねばなりません。
病院としても、治療に際しては出来る限り選択肢を提示していかないといけないと思っています。
その中で、飼い主さん、どうぶつが出来ることを選んでいく
その中には、費用的な部分も出てきます。
こうしないとダメ!!という選択肢のない提示はあまりすべきではないと思っています。
(※手術しないと数日以内に死んでしまう可能性がとても高い、手術することで完治の可能性がとても高い、などの緊急性のある場合は
手術を強く勧める場合はあります。
それでも、最終的にするかしないかを決定するのは飼い主さんです)
なので、これは出来る、ここまでは難しいかもしれない、など、できれば教えてほしいです。
実は薬が飲めていなかった…実はあまり効いていない気がする…教えてもらっていいのです。
ちょっと違うかもしれませんが
例えばお子さんが医者になりたい!となった場合
医学部に行く学費、生活費、部活は?合間に予備校に通うか、もし受験に受からなかった場合
そんなことも踏まえて国立にするか?私立も受けるか?通えるところを探すか?それとも別の道を考えるか?
「なりたい!ならせてあげたい!」だけではどうにもならない問題はたくさん立ちはだかってきます。
その中にあるたくさんの選択肢の中で、ご家族で出来ることを選択していくしかありませんよね。
私も獣医になりたいとごね、奨学金を借りたり、それでも相当な負担を両親にはかけてしまったと思います。
浪人しこれ以上は無理とあきらめた友人、別の選択肢を選んだ友人もいます。
「病気の治療」も、どこか同じ部分はあると思っています。
特に離島であるゆえに、たとえば高度医療を受けさせたいと思っても、現実通うことはとても難しくなります。
今ある状況で、出来ることを一緒に考えていかないといけません。
最終的に都市部の病院まで行くことにした!と言う方や、定期で飛行機で本土に渡っている方もいます
ただ、選択肢の中で出来るものを選ぶこと、それに間違いはないと思いますし
高度医療を選ばなかったことが間違いであるとも思いません。
家族で決めたことですから。
ヒトの医療も同じです。
実家で飼っていた犬も、14歳の時に腫瘍が出来て手術の選択を迫られる時がありました。
14という高齢、そして悪性腫瘍でしたが一番の治療法は前足ごと取る断脚でした。
ただ年齢的にここから3本脚の生活になる負担(大型犬だったので、これをきっかけに寝たきりになってしまえば、さらに大変!)
そもそも手術をするかどうか、
再発の可能性は高いとされている腫瘍
その中で、結局は断脚はせずに筋肉を削ぐように出来る限り腫瘍を物理的に取り除く手術の選択をしました。
幸い再発もなく歩行も問題なく、16歳まで元気に過ごしてくれました。
後悔はしていることはないですが、もしあの時再発したら?3本脚にしていたら?どうなっていたことでしょう
教科書的な最善の治療方法が我が家での犬の生活スタイルにとって必ずしもベストとはいえないと思っています。
最近で言うと、
ネコちゃんの病気でFIPという非常に死んでしまう可能性の高いものがあります。
ごく最近、未承認の海外の薬が高い効果がある!ということが分かってきました。
しかし未承認なので購入の手間(きわどい問題です)、その上内服治療は3か月くらいで100万ほどかかります。
それでもと治療をする方もいますし、100万は無理とする方もいます。
飼っているどうぶつのためにいざと言うときにお金をためていたとしても、100万は簡単なものでは到底ありません。
そして必ずしも完治するともいえないようです。
私もこれは強く勧めることはできません。
内服が難しい、手術までは出来れば避けたい、費用的にそこまでは苦しい、などなど、飼い主さんも言っていただいて構わないです。
病院側も、その場合はじゃあどうしようか?と考えます。
お互いが出来る部分で治療をしないといけません。
特に相談の多い案件では高額手術ですが、「しない」という選択は決して必ずしも責めることではありません。
破産して立ち行かなくなってしまっては元も子もありません。
とはいえ、たまに
注射ダメ、内服無理、フード変えるの無理、通院無理、費用もほとんど払えない、でも治して!というかなりの無理難題を提示してくる方もいます…
さすがに「飼い主さんも頑張れる部分」もないと、一発で治る魔法使いでもないので、難しいときもあります…
こればかりはご理解ください…
Posted by 奄美いんまや動物病院 龍郷町中勝にあります。 9:00~12:00、15:00~18:30 休診は水曜、土曜午後、日曜祝日 時間外はお応えできない場合があります。 0997-62-3310 090-2085-2649 https://inmayaanimalhospital.jimdofree.com/ at 02:17
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